人類の進化をせつめいする時
(人は猿から進化した)という表現が使われることがある
その進化の過程は通常大きく四つに分類される
まずは、猿から猿に近いヒト、(猿人)になった段階
人類の一番遠い祖先である
猿人は猿と違って
直立して二本足で歩くようになり
森林から草原へと生活の場所を変えた
この二足歩行はヒトへの進化を決定づけた重要なことだった
次に、自由に使えるようになった手で火や単純な石器を使用し
狩猟生活を送っていた(原人)の段階
猿人と比べれば
見かけは随分ヒトらしくなったが
言語は未発達で
まだ身振りによる伝達が主であった
しかし、食べ物が木の実などから肉食へ変わることで
脳に栄養が供給され
脳の発達につながった
そして、脳の発達はより高度な技術の習得へとつながった
その後、我々と同じホモサピエンスの仲間である
(旧人)が出現した
言語能力も発達し
埋葬の習慣もあったと考えられている
そして、現代人に直接つながるホモサピエンスである
(新人)が約20万年前~10万年に登場した
このように猿が二本足で立つようになり
脳が発達し
それに伴って言語を獲得し
技術や知識を身につけ
高度な思考能力を持つヒトになったと考えるわけである
ヒトに近い猿はチンパンジーやゴリラ、オランウータンなどの
(類人猿)だから
進化の過程というと、図1のように、
それぞれの名前を並べたものを考える人も多いのではないだろうか
最近のCG(コンピューターグラフィックス)
技術を駆使すれば
前足を使いながら地上を歩き回るチンパンジーの姿勢が徐々に直立歩行に向かい
顔の形が次第に平面になり
身長も伸びていき
全身を覆うっていた毛がきれいな洋服に変わり
手にしていた石はやりへ
そして最後には銃へと変わっていく様を流れるように示すこともできる
折に閉じ込められた猿が自分でカギを開けて外に出たり
チンパンジーが、限られた数であれ
言葉を理解したり道具を器用に作ったりするのを見れば
(なんて賢いのだろう。
もっと学習したら、いずれ進化して人間になりはしないか)と思えてくる
しかし、図1のような直線的な流れは、
進化の一側面をとらえていることは認めながらも
現実に起こった進化の過程とはかけ離れていると言わざるを得ない
生物の進化の過程は
図2のような系統樹という
巨大な樹に見立てたものによって示される
これを見ると
ヒトは遥か昔にチンパンジーと共通の祖先と別れて進化の道を歩んだことが分かる
図中の星印がその分岐点である
したがって、
サルにしろ、チンパンジーにしろ、
親がどんなに賢くても
その子孫がやがて人類になるということは有り得ない
人間が彼らに学習させようとさせまいと
結果は同じである
今よりも賢くなることはあっても
それはチンパンジーが(賢いチンパンジー)になるだけのことだ
ちなみに、人類の祖先が類人猿と決別したのは
両者の遺伝子の違いの分析からおよそ500万年前ころだと推定されている
これまで過去を振り返ってみたわけだが
この先の系統樹を想像してみることも可能だ
現代人の先にもう一つの分岐点ができないとは言い切れない
しかし、分岐点ができたとしても
図2が示しているように
幹から分かれた枝はその子孫を残すことなく
絶滅する場合もある
現にそうやって多くの動物の(種)はこの世から姿を消し
今では化石でしかその存在を知ることができない
人類の進化の過程においても
現代人と共通の祖先から分かれた猿人
原人、旧人たちの枝は途中で切れている
地球上に60億もの人が住んでいるとはいえ
人類にはホモサピエンスという
たった一つの(種)しか存在しないのでる
我々人類はその学名が示すとおり
(知恵を持つヒト)として地球上で繫栄し続けることができるのだろうか
どんな悲惨な結果を生むのか知っているにもかかわらず
核兵器は一向になくならない
また、かつて繫栄を極めた恐竜を絶滅させたとされる地球規模の異変が
再び起こることもあり得る
それに医療技術の進歩により
いよいよ人間が遺伝子操作によって
(神の領域)にまで踏み込むことができる時代がやって来た
さて、どれくらい先かは分からないが
(5番目の人類)が将来誕生しているとしたら
彼らはどんな系統樹を描くのだろうか
いや、もしかしたら(賢いチンパンジー)が
彼らに代わって系統樹を描いているかもしれない
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